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目にいい食品……青魚
目の調子を整える機能性表示食品として注目を集めているゼアキサンチンとルテイン。
ゼアキサンチンは主に眼底の網膜の黄斑部に多く存在し、ルテインは網膜周辺部位に存在しています。この二つの成分同様、眼球内に人体の他の場所よりも多く含まれている成分がほかにもあります。それは、頭を良くしたり認知症を予防したりする効果があるとして知られているDHA(ドコサヘキサエン酸)です。サンマやイワシ、アジなど、海を回遊する背の青い魚に多く含まれている成分です。
このDHAは、不飽和脂肪酸という脂の一種です。
牛や豚、鶏など陸上の動物に含まれる脂が、常温で白く固まる性質の「飽和脂肪酸」であるのに対して、「不飽和脂肪酸」は冷たい水のなかで泳ぐ魚の体内にあるため、常温でもサラサラのまま固まらない性質がある脂です。
どちらも人体にとって必要な脂ですが、「飽和脂肪酸」は血液中の中性脂肪を上げたり、コレステロールを上げたりする作用があり、摂取しすぎると生活習慣病につながります。それにに対し、DHAなどの「不飽和脂肪酸」はさまざまな生活習慣病を予防する働きがあるのです。
魚の脂にはDHAと同時にEPA(エイコサペンタエン酸)という不飽和脂肪酸も含まれていて、この脂も健康効果抜群の成分です。
● 動脈硬化、高脂血圧、認知症などの予防や改善によい。 |
● アトピー性皮膚炎やアレルギーなどによい。 |
● 脳の発達によい。 |
● がんの発生や転移を予防する効果がある。 |
そもそもDHAやEPAは、人体の正常な活動に必要とされる「必須脂肪酸」です。
最近では、例えば病院で昏睡状態の方などに与える栄養剤のなかにも含有されるようになっています。体内で合成することができないため、食事から継続的に摂取する必要がある成分です。
目の中にには、このDHAが非常に多く存在しています。実は、「網膜」や「視神経」には高濃度のDHAが、脳よりも多く含まれているのです。視神経の材料の一つとして、電気信号のサポートをしたり、血液の流れをよくして血栓ができるのを防ぐ効果も果たしている、と考えられています。
それだけに、毎日の食生活でDHAの摂取量が極端に減ってしまうと、目の働きにも悪影響が出てきます。
積極的に摂取することで、ドライアイの予防や視力改善、疲れ目の予防、網膜の機能改善などに効果があるという研究もあります。逆に摂取量が足りなくなると、加齢黄斑変性のリスクをあげたり、視力障害を引き起こすリスクがあがるとする研究もあるのです。
認知症や各種の生活習慣病の予防効果があることはすでに科学的に証明されているので、積極的に摂取することをオススメできる栄養素です。
望ましいDHAおよびEPAの摂取量は
1日あたり1g(1,000mg)以上
これは、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準2010年度版」が根拠になっています。
DHAを意識的に摂るには、青魚をたくさん食べることです。
サンマ、イワシ、サバ、アユ、ブリなどの青魚です。とくにサンマやイワシ、アジなどの「大衆魚」は、背の青い魚であることが多く、DHAやEPAも非常に多く含まれています。値段も手頃です。
今の食生活では、肉類の「飽和脂肪酸」を摂取しやすいので、週に2~3回は青魚を取り入れたりして、できるだけ魚を食べるよう心がけましょう。それで、必要とされる量のDHAを摂取できるでしょう。
1日の目標量を摂取できるおおまかな目安は以下の通りです。目安は、地域や季節により多少の変動があります。
サンマ→1/2~1匹
イワシ→1~2匹
アジ→1~2匹
ブリ→1/2~1切
不飽和脂肪酸は、構造上、非常に酸素と反応(酸化)しやすく、壊れやすい性質をもっています。「酸化=劣化」なので、DHAはとても劣化しやすい脂です。焼魚は油成分が酸化したり、流れ出てしまって含量が低下したりしやすいため、青魚は刺身や煮物で食べると効率よく摂取することができます。
もちろん、焼魚にしたからといって極端に含有量が減るわけではありません。(中型サンマ1尾120~140gで、EPA及びDHAの含有量は生で2590mg、焼いた場合で2050mg)
より効率よくDHAを摂取するために、ビタミンCやビタミンE、ビタミンAを多く含む野菜や果物をいっしょに摂取することをおすすめします。これらのビタミンは抗酸化作用があり、脂肪酸が酸化するのを防ぐ効果があります。もちろん、魚の鮮度も重要です。
しかし日本人の魚摂取量は減少傾向にあります。また魚が苦手な方も少なくありません。気軽に美味しくDHAが補えるトクホ食品や機能性表示食品もありますので、補助的にサプリメントを使うのもひとつの方法です。
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