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高齢化社会でますます注目の完全栄養食品「ローヤルゼリー」。
健康食品のブームは一過的です。人気が出たかと思うとすぐに冷めてしまう。これまでいろいろな健康食品にブームの火がつきましたが、今では話題にも登ることのないものがほとんどです。そんななか、変わることのない根強い人気を維持しているもののひとつが、「ローヤルゼリー」です。
「ローヤルゼリーブーム」が起きたのが1960年代です。1954年、危篤状態にあったローマ法王にローヤルゼリーを投与したところ、驚くべき回復をみせ生還しました。 この“ローヤルゼリーの奇跡”により世界的に大ブームとなり、日本にも広まったのです。
日本のローヤルゼリーの歴史は60年ほど。商品寿命が短い健康食品業界のなかで、「健康の維持・増進」「老化防止」などの機能性食品として60年以上も変わらず人気を保ち続けているのは、珍しいことです。いつまでも支持を集め続けているのは、飲んだ人、食べた人が、その効力の確かさを実感しているからでしょう。
そこで、高齢化が進むなか「ローヤルゼリー」の魅力に注目しました。
ローヤルゼリーほど、科学的な検証に耐えてきた健康食品は非常に珍しいといえます。成分の薬理的研究はもちろん、病院における臨床調査もおこなわれ、多種多様な効果が続々と明らかになっています。
ローヤルゼリーには40種類を超える多彩な成分が含まれており、筋力低下の予防、高血圧やコレステロールの上昇抑制、糖尿病予防、免疫反応の活性化など様々な効果が報告されているのです。
では、ローヤルゼリーとは、なんでしょうか。高級なハチミツと思っている人が多いようですが、ハチミツとロイヤルゼリーはかなり異なるものなのです。
働き蜂が集めた花の蜜と花粉が、働き蜂の唾液によって果糖とブドウ糖に分解されたものが「ハチミツ」です。いっぽう、ローヤルゼリーは女王蜂を育てるために、若い働き蜂が花粉を材料として体内で合成し分泌したものです。詳しくいうと、働き蜂が頭部にある腺から分泌するタンパク質を主体とする乳白色の物質で、酸味が強く、ハチミツとはまったく異なるのです。
このローヤルゼリーには、とんでもない活性化作用があります。
1個の巣「蜂群」には、数千から数万匹の働き蜂がいますが、女王蜂はたった1匹です。そして、働き蜂の寿命はわずか1ヵ月程度なのに、女王蜂は実にその40~50倍の3~4年も生きるのです。しかも、女王蜂は若さを失うことなく、1日1,500~2,500個の卵を産み続けるのです。体の大きさも、女王蜂は働き蜂の2~3倍という、すざましい生命力の塊が女王蜂です。
この違いはどこから生まれたのでしょうか。
卵の段階では働き蜂も女王蜂も、同じ遺伝子を受け継いでいる兄弟で、まったく同じ雌の蜜蜂の卵なのです。違いはありません。それなのに、ハチミツを与えられると働き蜂になり、ローヤルゼリーという特別食で育つと女王蜂になるのです。そうです、与えられる餌によって大きな違いが出るのです。女王蜂にとってローヤルゼリーは、生涯に亘って食べ続ける特別な食べ物で、神秘的な力があるのです。
ローヤルゼリーには、ハチミツとは比較にならないほど豊富な栄養素が、バランス良く豊富に含まれています。
3大栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質をはじめとし、体が必要とする人間の体内では合成できない必須アミノ酸、さらに各種ビタミン、ミネラル、酵素類などがバランスよく含まれています。
また、自然界ではローヤルゼリーからしか検出されない特有成分(デセン酸・ピオブリテンなど)も認められており、現在も様々な研究が進むなか、美容や生活習慣病、抗菌作用など多岐にわたる有用性が非常に注目されているのです。
ローヤルゼリーは働き蜂の体内で生成される食料なので、異物などの混入がありません。 また、働き蜂は農薬に弱く、農薬のついたものは採蜜もしないため、農薬害などの心配もないのです。
ローヤルゼリーは、厚生労働省が滋養強壮効果を認め、一般用医薬品(医師の処方箋なく購入できる医薬品)として承認しています。滋養強壮や肉体疲労、虚弱体質、食欲不振、栄養障害などを適応症とする製剤が作られ、病院で処方されているのです。ですから、外国産のローヤルゼリーは食品ではなく、「医薬品」として輸入されています。
女王蜂の長寿の秘密はローヤルゼリーだった。
女王蜂は、巣内の「王台(クイーンセル queen cell)」と呼ばれる特別な釣鐘型の育房で育てられます。この1個の王台に満たされるロイヤルゼリーの量は約0.3グラムです。
世継ぎとなる新女王は一匹生まれればいいのですが、働き蜂は予備の王台を20個ぐらい作ります。それら王台のすべてのローヤルゼリーを採取しても6グラムほど。しかも王台が作られるのは、1年のうち4月から6月の限られた季節です。これでは、自然の営みに任せていては大量採取は不可能です。
そこで考えられたのが、プラスチックで作った育房「人工王台」の発明です。
女王蜂を取り除いた巣箱に、40個ほどの人工王台を据え付け、巣房の働き蜂の幼虫を王台に移します。すると働き蜂は、女王を育てようとロイヤルゼリーを分泌し、人工王台にためます。その王台を48時間~72時間以内に取り出し、たまったロイヤルゼリーを採取してから、再び巣に戻す。これを1カ月に数回行うのです。これにより、ロイヤルゼリーの量産が可能になったのです。
中国の青海省海北チベット自治州の、広大な菜種畑などで、ハチミツやローヤルゼリーを採取している。
令和元年(2019年)のローヤルゼリーの国内生産量は約2トン。これは国内使用量の約1%です。
2017年に日本に輸入されたローヤルゼリーの総輸入量は389トン、その中で中国産は373トンと全体の98%を占めています。つまり、私たち日本人が口にしているローヤルゼリーのほとんどが中国産なのです。
中国産のローヤルゼリーは安全性に問題はないの?
と考える人もいますが、安全性に問題がないかどうか厳しい検査を実施し、クリアしたものだけが輸入されています。安全性の基準も高く、抗生物質の含有量を検査する「残留抗生物質検査」が義務付けられていて、検出限界以下のものでないと輸入できないよう厳しいチェックを受けているのです。
最近、国別消費量の推計では「中国」に一位の座を奪われましたが、一人当たりの消費量については、ダントツで「日本」が1位なんです。
健康食品として現在、市販されているローヤルゼリーを大きく分けると、3つの種類に分類できます。
・生ローヤルゼリー
・乾燥ローヤルゼリー
・調整ローヤルゼリー
それぞれに特徴があります。
【生ローヤルゼリーとは】
生ローヤルゼリーは、加工しないままのローヤルゼリーです。「生」ですから、新鮮で、それだけでも効果が高いことが期待できます。
しかし、「生」だからこその欠点もあります。熱と光に弱く、高い温度のなかに放置したり、明かりにさらしておくと、徐々に黄色くなり、変色が始まります。当然、各種成分の活性作用も低下することが考えられます。それだけに、生ローヤルゼリーを利用するときは、必ず冷蔵庫などの冷暗所に保管し、早めに使い切ることが大切なのです。
【乾燥ローヤルゼリーとは】
生ローヤルゼリーには60%以上の水分が含まれていますが、冷凍乾燥という方法で、その水分の9割を除去したのが乾燥ローヤルゼリーです。
【調整ローヤルゼリーとは】
乾燥ローヤルゼリーにでんぷんなどを添加して調整し、飲みやすいカプセルや錠剤にしたものが調整ローヤルゼリーです。
ローヤルゼリーの使用量が全重量の6分の1以上(生換算)のものを調整ローヤルゼリーといいます。飲みやすいだけでなく、持ち運びなどの点でも扱いやすいのです。
新鮮な生ローヤルゼリーには、独特の“ツン”とした刺激と酸味があります。理由は“鮮度が良い”からで、この酸味が品質の保証です。
新鮮で無加工のローヤルゼリーは美味しいものではありません。しかし何も加工しない、添加しないことでこそ、その食品のもつ成分や本来の力を失わずに摂取することできるのです。
ローヤルゼリーに含まれる成分・デセン酸(10-ヒドロキシデセン酸)は、他の食品類には含まれないことから、デセン酸の割合が多いほど純良なローヤルゼリーとされています。
財団法人日本健康・栄養食品協会は、ローヤルゼリーの原材料規格としてデセン酸含有量を1.6%としています。デセン酸の含有量は純度を示す検定基準ですから、私たちが高品質のローヤルゼリーを選ぶ目安となります。